Same LP · Thirty Ways

AI感のないデザイン
30の作り方

架空のタスク管理SaaS「TSUMIKI」のLPを、コピーは一字も変えず、作り方の指示だけを変えて30回生成した検証です。全ページを実物のまま公開していて、各ページには使ったスキルとWeb技術を3行で明示した「検証レシピ」(各ページ右下のボタンから飛べます)と、「なぜAI感が消えるのか」を分解した検証ノートを添えました。

Common Tics

「AI感」の正体

AIにLP制作を任せると、モデルが変わっても同じ手癖が出る。装飾の好みというより、学習データの中央値へ寄っていった結果だ。10個のクセをCSSの用語で並べる。

01

紫→ピンクのグラデーション

#667eea→#764ba2の組み合わせを、ヒーロー背景からボタンまで塗りたくる。

02

絵文字の丸アイコン

🚀📋⏰のような絵文字を円形の色付き背景に載せて、機能アイコン代わりにする。

03

均等3カラムのカード+ふわっと影

内容の重みを無視して3分割し、box-shadowの柔らかい影を敷いて浮かせる。

04

blobがふわふわ漂うヒーロー

border-radius:50%の色面をぼかして、ヒーロー背後でゆっくり動かす。

05

glassmorphismヘッダー

backdrop-filter:blur()と半透明の白背景で、ヘッダーを浮遊させる。

06

border-radius:999pxのボタン

角を全部丸めて、薬のカプセルのような形のボタンに揃える。

07

hoverでtranslateY(-8px)

カードにもボタンにも、マウスが乗るたび同じ8px前後の浮き上がりを付ける。

08

フォントはInter一択

見出しも本文も欧文はInterで固定し、和文フォントは後から辻褄合わせで足す。

09

中央揃えのsection-title

セクション見出しをtext-align:centerで統一し、下に一文添えるだけで終える。

10

「✨🚀」で締めるCTA

最後のボタンの文言に絵文字を足して、勢いだけで押し切ろうとする。

この10個は、次のCASE 01で実際にまとめて踏んでいる。何も指示しないとどうなるかを先に見ておくと、02以降との差分がわかりやすい。

Thirty Cases

同じLPを30通りの指示で作る

コピーは固定したまま、作り方の指示だけを9つのアプローチに分けた。カテゴリが違えば、渡しているものの種類も違う。

ABASELINE

ベースライン

指示を足す前の状態。ここからどれだけ変わるかが、残り25ケースを見るときの基準になる。

ITHE FINAL ONE

集大成 — 全部を効かせる

29ケースのうち手ごたえのあった4つ——自社ブルーDS(15)・p5.jsのフローフィールド(19)・sticky写真ストーリー(24)・ブルータリズムの区画設計(30)——を、1つの世界観に溶かした最終回答。

Cheat Sheet

使い分け早見表

30手法を、渡すもの・効くポイント・手間の3軸で並べた。次に何を試すか迷ったら、ここから選べばいい。

CASE 渡すもの 効くポイント 手間
01指示なし比較のためのベースラインなし
02IBM Carbonのトークン角丸・配色・グリッドを業務システムの型にはめる
03デジタル庁DSの公開mdフォーム設計とアクセシビリティの基準
08自社デザインシステム(RealAIzeセミナー版)色数を4色に縛り、直角と黒枠で自社らしさを再現低(一度作れば使い回せる)
15自社ブルーDSのトークン一式非対称角丸と黄色マーカーという「社の癖」
04Hallmarkスキル(57ゲート)「AIっぽい」選択肢自体を拒否する判断ルール中(スキル導入)
05emilkowalski/skillsの判断力モノクロ配色と繊細なマイクロインタラクション
27tasteskill.dev / taste-skill(v2)Design Read宣言と3ダイヤルで、AIの既定値を数十個の禁止パターンごと封じる中(スキル導入)
28tasteskill.dev / soft-skill二重ベゼルとButton-in-Buttonで「高い仕事」の質感を強制
29tasteskill.dev / minimalist-skill1px罫線・影禁止・退色パステルの数値縛りでドキュメントの顔にする
30tasteskill.dev / brutalist-skillCRT走査線とASCII装飾。テンプレに無い語彙で組む
06Figmaで先に決めた設計実装前にレイアウト・書体・配色を確定する順番高(工程が1つ増える)
07実在サイト3つの観察結果余白・構成比・ボタンの実測値高(調査が必要)
09Next.js/Vercelの開発者向けUI影とグラデーションを1pxボーダーに置き換える
10Vue.jsで動く実装静止画でなく状態を持つUI(トグル・ミニデモ)高(実装工数)
11WebGLフラグメントシェーダー二度と同じ絵にならない背景の生成高(シェーダー記述)
12スイス・タイポグラフィ様式の禁止事項非対称グリッドと単色運用
13ネオブルータリズムの質感規定ぼかしゼロの影と原色で、AIが選ばない粗さを出す
14紙とインクの手仕事の質感傾きとノイズで、人の手の痕跡を作る
16Three.jsとスクロール→状態のマッピング読者の操作と映像の同期
17GSAP+動きの設計値動きの語彙をテンプレの外に出す
18Matter.jsの物理パラメータ触れる・壊せる・毎回違う
19p5.jsと描画ルール(noiseの場)開くたびに違う一点物の絵
20D3.jsとデータ・スケール設計軸と目盛を持つ本物のチャート+動く配置計算
21生成写真12点(gpt-image-2)実写の光と質感が装飾グラデーションを置き換える中(素材生成)
22写真から作ったループ動画(ffmpeg)動き続けるヒーローの実在感
23写真+誌面の組版ルール非対称グリッドと級数の対比で雑誌の顔にする
24連作写真とスクロール設計全部並べず、時間軸で1枚ずつ見せる
25ループ動画7本+再生制御画面のどこかが常に動いている
26効いた要素6種の統合設計トークンを1つに統一した上で動き・実写・様式を重ねる最高

AI感の正体は、モデルの画力ではなく判断の丸投げにある。デザインシステムでも様式でも実在サイトでも、参照先を一つ渡した瞬間にLPの顔は変わる。どれを選ぶかより、何も渡さないまま丸投げしないことの方が効く。